チューイのおばあちゃん
ここに来た人の中には直接会った方も聞いたことがある方もいると思うチューイのおばあちゃん。
向かい側のお店の前で店番をしながらずっと座って村を眺めてたおばあちゃん。
そのおばあちゃんが96歳で天国へ旅たった。
チューイのお父さんが死んでから数カ月後だった。
その前まで何回か危ない状態に陥っても、回復してというのを繰り返してた。
凄い強かった。
パーキンソン病を長年患っていて、だんだんボケが進行して、歩けていたのが歩行器がないと駄目になって、それからだんだん寝たきりになって、子どもの名前や顔が認識出来なくなって、赤ちゃんの頃に戻ったようになっていった。
そういう各段階で身体の自由が効かなくなるのを見てきた。
でも、タイはまだ日本のような福祉施設なんてないから、家族、親戚みんなで面倒を見る。
そのチームワークというのか、それこそお互い協力してを風呂や下の世話、食事何でもやる。
夜も交代で側につく。
おばあちゃんはボケてしまったから、家の中を座りながら徘徊するから。
でも、みんな悩むとかなくて、ただ現実を受け入れて、それで毎日過ごしてた。
みんなが集まるから、しゃべって笑って笑顔が耐えなかった。
そういうのを見てきて、凄いの一言で。。うまく説明出来ない。
人って生まれてから死ぬまで、一人では生きられないんだなって。
誰かの力を借りて、これからも死ぬまで生きていく。
死んだチューイのおばあちゃんとお父さんの写真は凄く貴重。
元々写真とか撮らない人だった。
写真撮っておけばよかったと後悔していると、数年前に私とチューイが積極的に面倒を見ていたフィンランドから来ていたボランティア夫婦が帰国後、あるアルバムのような手作りの本を1冊送ってきてくれた事を思い出した。
そのボランティアは本当にカメラマンのようにいろんな写真を撮っていた。
二ヶ月間の思い出がこの一冊に凝縮されている。
そして時々出てくるお父さんとハル。
本当に抱っこしにくいのに、よく抱っこしてくれて、面倒みてくれていたなー。
この写真だけでもう涙が出てしまう。
そして、おばあちゃん。
おばあちゃん、ボケてもう誰が誰だかわからなくなっても、何故かハルの名前だけ覚えていて、ボケていても『ハルー、ハルー。』って毎日呼んでいた。
たぶんおばあちゃんもハルのことを一番心配していたのかな。
この本は一生の宝もの。
思い出がいっぱい。
これをくれたボランティアに感謝している。